税理士法人プログレスサポート
News Letter(2021年9月号)

9月1日は防災の日です。今年も大雨による災害が各地で発生していますので、自社の防災対策が十分かどうか、見直してみてはいかがでしょうか。
掲載内容に関してご不明点等があれば、お気軽に当事務所までお問い合わせください。

税務情報

進む! 年末調整手続の電子化

国税庁が年末調整手続の電子化ツールを令和2年分の年末調整から無償で提供するなど、デジタル社会の実現に向けた動きがここでもみられます。令和3年分の年末調整を前に、この年末調整手続の電子化について確認します。

年末調整手続

⑴ 年末調整とは

年末調整とは、原則、1年間の給与支払に係る源泉所得税を、その年の最後の給与支払時に精算する手続をいいます。

⑵ 年末調整の手順

年末調整は、主に次の手順で行います。

手順処理者
事業者従業員
① 年末調整書類の準備・配付
② 年末調整書類の作成・提出
③ 年末調整書類の受理・確認
④ 年税額の計算
⑤ 精算(徴収・還付等)

年末調整手続の電子化

⑴ 年末調整手続の電子化

年末調整手続の電子化とは、これらの手順をデータ処理することをいいます。電子化する前と後での手続の流れの概要図は、前ページにある通りです。

また、電子化を行うことによる主な変更点は、次の通りです。

手順処理者
事業者従業員
① 年末調整書類の準備・配付書面の用意や配付が不要
② 年末調整書類の作成・提出控除データをインポートすることで控除額を自動計算
③ 年末調整書類の受理・確認内容の確認が不要
④ 年税額の計算データをインポートすることで自動計算

⑵ 電子化を行うことでのメリット

年末調整手続の電子化を行うことによる、主なメリットは次の通りです。

【事業者側】
  • データで取得することで控除額の正否の確認(検算)が不要になる
  • 控除証明書等をデータで取得することで、添付書類の確認が不要になる
  • 記載もれや記載誤り等の確認が不要となる
  • データのまま保存することで書面の保管場所の確保等が不要となる
【従業員等側】
  • 手書きによる手間が削減できる
  • 控除証明書等をデータで取得することで、転記誤りや控除額の計算誤りを防ぐことができる
  • 控除証明書等を紛失した時の再発行手続の手間が不要となる
  • 控除対象か否かの判定をする必要がない(情報を入力するだけで自動判定してもらえる)
  • データでの提出のため出社や郵送等の必要がない

⑶ 電子化を行うことでのデメリット

年末調整手続の電子化を行うことによる、主なデメリットは次の通りです。

【事業者側】
  • どの部分を電子化するか事前検討が必要となる
  • 電子化に必要なソフトウェア等の準備が必要となる
  • 従業員等への周知が必要となる
  • 必要に応じて従業員へマイナンバーカードの取得依頼をする必要が生ずる
  • 団体扱い保険がある場合には、事業者側でデータを取得してインポートする必要がある
  • データを保管しておく場所が必要となる
【従業員等側】
  • 必要に応じてマイナンバーカードの取得が必要となる
  • 控除証明書等をデータで取得するためには、事前に保険会社への手続等が必要となる
  • 国税庁の無償ソフトを利用する場合は、自分でダウンロード等の準備が必要となる
  • データ等を取得するための専用サイト等へ、自らがアクセスする必要がある(書面であれば、勝手に郵送されてくるため自ら動く必要がない)

年末調整手続の電子化については、すべてを電子化する必要がない他、すべての従業員等が対応する必要もありません。“いいとこどり”ができる点もメリットの1つといえるかもしれません。

労務情報

傷病手当金の通算や育休中の社会保険料免除に関する法改正

2021年の通常国会で、健康保険法や厚生年金保険法の改正案が成立しました。対象となる従業員への影響が大きな内容を含みますので、以下で改正点を確認しておきます。(各項目のカッコ 内の日付は施行日)

傷病手当金(2022年1月)

健康保険の傷病手当金は、支給が開始された日から起算して、最長1年6ヶ月まで支給されます。この1年6ヶ月の間に、一時的に就労した期間(傷病手当金が不支給となる期間)がある場合には、その就労した期間も含めることになっています。

近年はがん治療など、療養のため長期間休みながら働くケースが増えてきています。こうした状況に対応し、治療と仕事の両立を実現するため、就労した期間は含めず、傷病手当金が支給された期間を通算して最長、1年6ヶ月間、支給されることとなります。

育休中の社会保険料免除(2022年10月)

育児休業(以下、育休)中は、申し出により社会保険料(健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料)が免除されます。この免除となる基準が見直され、以下の通りとなります。

①育休を取得する月にかかる社会保険料

月末時点で育休を取得しているときは、その月の社会保険料が免除される。これに加え、育休の開始日の属する月は、月末時点で育休を取得していないときでも、その月中に2週間以上育休を取得していれば社会保険料が免除される。

②賞与にかかる社会保険料

月末時点で育休を取得しているときは、育休の取得日数に関わらず、その月に支給される賞与にかかる社会保険料が免除されていたものが、今後は育休を取得する期間が1ヶ月を超える場合に限り、免除される。

任意継続被保険者制度(2022年1月)

従業員は、退職した後でも一定の要件を満たせば、任意継続被保険者として退職前に加入していた健康保険の被保険者となることができます。

任意継続被保険者が負担する健康保険料は、会社が負担していたものを含めてその金額を負担します。この保険料の算出根拠について、「従前の標準報酬月額または全被保険者の平均の標準報酬月額のうち、いずれか低い額」となっていたものが、健康保険組合は規約で、従前の標準報酬月額とすることができるようになります。

また、任意継続被保険者の資格の喪失について、任意継続被保険者からの申請によりできることとなります。

 育休中の社会保険料免除は、これまで以上に期間の管理が重要になります。また改正点について、従業員からの問合わせも想定されます。詳細な情報を今後確認していきましょう。

経営情報

2021年の賃金改定状況

今年7月に厚生労働省から、最低賃金改定の参考資料として、令和3年賃金改定状況調査結果※が発表されました。ここではこの結果から、今年の賃金改定状況をみていきます。

賃上げ実施は40%以下

上記調査結果から、業種別の賃金改定状況をまとめると表1のとおりです。

2021年1~6月に賃金引上げを実施した事業所割合(以下、賃上げ実施割合)は全体(産業計)で36.3%、2020年から4.9ポイント減少しました。賃金引下げを実施した事業所割合は、2020年と同じ1.5%です。7月以降も賃金改定を実施しない事業所割合は、2020年から6.7ポイント増加の48.8%でした。7月以降に賃金改定を実施する予定の事業所割合は、13.5%となりました。

業種別の2021年の賃上げ実施割合では、最も高いのは学術研究,専門・技術サービス業の43.2%です。その他は30%台の業種が多い状況です。なお、製造業以外は2020年より賃上げ実施割合が減少しました。7月以降も賃金改定を実施しない割合では、宿泊業,飲食サービス業と生活関連サービス業,娯楽業が60%を超えました。

【表1】業種別賃金改定実施状況(%)
1~6月に賃金引上げを実施した事業所 1~6月に賃金引下げを実施した事業所 7月以降も賃金改定を実施しない事業所 7月以降に賃金改定を実施する予定の事業所
2020年2021年 2020年2021年 2020年2021年 2020年2021年
産業計 41.236.3 1.51.5 42.148.8 15.113.5
製造業 32.333.3 2.10.7 53.351.8 12.414.2
卸売業,小売業 48.138.8 1.51.2 32.644.6 17.715.4
学術研究,専門・技術サービス業 46.243.2 1.61.9 45.543.8 6.811.1
宿泊業,飲食サービス業 28.323.8 1.11.6 55.661.6 14.912.9
生活関連サービス業,娯楽業 30.719.7 0.94.2 46.461.7 22.014.3
サービス業(他に分類されないもの) 41.633.3 1.51.3 43.753.3 13.112.1

厚生労働省「令和3年賃金改定状況調査結果」より作成

平均賃金改定率は3%

上記調査結果から、業種別の賃金改定状況をまとめると表1のとおりです。

【表2】賃金引上げ実施事業所の平均賃金改定率
(%、ポイント)
2020年2021年増減
産業計2.83.00.2
製造業3.03.10.1
卸売業,小売業2.52.70.2
学術研究,専門・技術サービス業3.74.40.7
宿泊業,飲食サービス業3.42.8-0.6
生活関連サービス業,娯楽業3.02.5-0.5
サービス業(他に分類されないもの)3.03.10.1

厚生労働省「令和3年賃金改定状況調査結果」より作成

 産業計は3.0%で2020 年より0.2 ポイント増加しました。業種別では学術研究, 専門・技術サービス業の4.4%が最も高くなりました。2021年は全体の約50%が賃金改定を実施せず、賃上げ実施割合も低下するなど、新型コロナウイルスの影響が賃金改定にもあらわれています。

IT情報

企業のクラウドサービス利用状況

新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入した企業が増えました。それに伴いクラウドコンピューティングサービス(以下、クラウドサービス)も利用が増えているものと思われます。ここでは今年6月に発表された調査結果※から、企業のクラウドサービス利用状況をみていきます。

利用割合は約7割に

上記調査結果から、2020年時点のクラウドサービス利用状況をまとめると表1のとおりです。

【表1】クラウドサービスの利用状況(%)
全社的に利用している39.3
一部の事業所または部門で利用している29.2
利用していないが、今後利用する予定がある10.1
利用していないし、今後利用する予定もない16.0
クラウドについてよく分からない5.1
無回答0.3

総務省「令和2 年通信利用動向調査」より作成

全社的に利用している、一部の事業所または部門で利用しているを合わせると、7割近い企業がクラウドサービスを利用しています。2016年時点では5 割未満だったことから、利用が進んでいることがわかります。

ファイル保管・データ共有での利用が進む

 利用割合の高いクラウドサービスをまとめると表2のとおりです。

【表2】利用しているクラウドサービス上位5つ(複数回答、%)
ファイル保管・データ共有59.3
電子メール50.2
社内情報共有・ポータル44.7
スケジュール共有43.7
給与、財務会計、人事37.7

総務省「令和2 年通信利用動向調査」より作成

ファイル保管・データ共有の割合が最も高く、電子メールとともに50%を超えました。社内情報共有・ポータル、スケジュール共有も40%を超えています。

利用する理由

 クラウドサービスを利用する理由をまとめると、表3のとおりです。

【表3】クラウドサービスを利用する理由上位5つ(複数回答、%)
場所、機器を選ばずに利用できるから45.5
資産、保守体制を社内に持つ必要がないから42.3
災害時のバックアップとして利用できるから38.1
安定運用、可用性が高くなるから37.3
サービスの信頼性が高いから(情報漏えいなど対策)29.3

総務省「令和2 年通信利用動向調査」より作成

場所、機器を選ばずに利用できるから、資産、保守体制を社内に持つ必要がないからという理由が40%を超えました。災害時のバックアップとして利用できるからという理由も、3位になっています。

なお、クラウドサービスの効果については、非常に効果があった、ある程度効果があったとする割合を合わせると8割を超えています。まだ導入していない企業でも、導入できそうな部分やできた方がよい部分からでも取り組んでみてはいかがでしょうか。

コロナ関連の助成金
現在募集中の助成金の申請期限は?

長引く自粛要請により、国や自治体による各種支援も延長が発表されています。 現在どのような支援が行われていて、いつまでに申請すればよいのかを一覧にまとめました。 この一覧は、2021年(令和3年)8月26日時点の各省庁の公開情報をもとに作成しています。

雇用を維持・促進するための助成金等

助成金等の名称概要申請期限
雇用調整助成金事業活動の縮小を余儀なくされた場合、休業手当などの一部を助成(地域等による特例あり) 雇用保険被保険者以外も対象支給対象期間(令和3年11月末までの予定)の末日(毎月の賃金締日)の翌日から2ヶ月
 コールセンター 0120-60-3999 Webサイト
新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金休業期間中賃金が支払われない中小企業の従業 員に、日額最大 11,000 円を支給 パート・アルバイト、大企業の一部も対象6 月までの休業→9月30日7~9月の休業→12月31日

対象期間は 11 月末まで延長の予定

 コールセンター 0120-221-276 Webサイト
産業雇用安定助成金在籍出向による雇用の維持、人材活用を支援 出向元・先双方に出向中の費用の 9/10(大企業 は 3/4) + 初期費用最大 15 万円/人を助成出向開始の前日(可能であ れば 2 週間前)までに 計画届を提出
 コールセンター 0120-60-3999 Webサイト
トライアル雇用助成金コロナ離職者(シフトが減少したシフト制労働者 を含む)の試行雇用期間(3 ヶ月)に月額 4 万円 /人(短時間労働者は 2.5 万円)を助成トライアル雇用開始日から 2 週間以内に 実施計画書を提出
 都道府県労働局またはハローワーク Webサイト

暮らしを応援する助成金等

助成金等の名称概要申請期限
子育て世帯生活支援特別給付金 児童扶養手当受給世帯等、その他住民税非課税の子育て世帯に、児童一人当たり5万円 市町村(特別区)の窓口にお問合せください
 コールセンター 0120-811-166 Webサイト
緊急小口資金・総合支援資金 コロナによる収入減や失業で生活が苦しい方を対象とした生活費の貸付け 11月30日まで
 コールセンター 0120-46-1999 Webサイト
住宅確保給付金 支給が終了した方に、3ヶ月間再支給 9月30日まで
 コールセンター 0120-23-5572 Webサイト

事業活動を維持するための助成金等

助成金等の名称概要申請期限
事業再構築補助金※ 新分野展開や業態転換等の事業再構築に取り組む場合に、最大1億円を補助 3次締切9月21日
(令和3年度に5次まで実施予定)
 事業再構築補助金事務局 0570-012-088 Webサイト
 ※GビズIDプライムのIDが必要です。ID発行までに2~3週間かかります。https://www.jgrants-portal.go.jp/
持続化補助金※ ポストコロナのための小規模事業者支援
①一般型:上限50万円、補助率2/3
②低感染リスク型ビジネス枠:上限100万円、補助率3/4
①6次締切10月1日
②3次締切9月8日
4次締切11月10日
(①は7次、②は6次まで実施予定)
 コールセンター ①03-6747-4602 Webサイト
 コールセンター ②03-6731-9325 Webサイト
 ※GビズIDプライムのIDが必要です。ID発行までに2~3週間かかります。https://www.jgrants-portal.go.jp/
IT導入補助金 業務の効率化、接触機会低減のための IT ツール等の導入費用を支援(最大450万円) 9月30日まで
 コールセンター 0570-666-424 Webサイト
地方創生臨時交付金の「協力要請推進枠」 時短要請の協力金
緊急事態措置地域等
中小企業:売上高に応じ3~10万円/日 等
大企業(中小も選択可):売上高減少額に応じ最大20万円/日
それ以外の地域1日2万円~7.5万円 等
都道府県の窓口にお問合せください
 各都道府県の窓口 Webサイト
月次支援金 9月までの緊急事態宣言・まん防措置の影響を受け、売上が前年同月より50%以上減少した中堅・中小事業者に、その差額を支給(上限は、法人20万円/月、個人10万円/月)酒類販売業者に対しては要件を緩和し、給付対象や上限を拡大(詳細は都道府県の窓口へ) 7月分 8/1~9/30
8月分 9/1~10/31
9月分 10/1~11/30
「登録確認機関での事前確認」の受付の締切りは7月分は9/27 8月分は10/26 9月分は11/25
 月次支援金事務局相談窓口(申請者専用) 0120-211-240 Webサイト
J-LODlive2 補助金 ①再開支援 補助率1/2、上限3,000万円
②キャンセル費用支援 上限2,500万円
①2022年1月31日まで
②11月19日まで
 J-LODlive2 補助金運営事務局 0120-68-7322 ①Webサイト ②Webサイト
NEW!
ARTS for the future!
文化芸術活動の持続強化のための経費、公演等のキャンセル料を最大2,500万円補助 等 2次 9月6日~9月17日
 ARTS for the future!事務局 0120-510-335 Webサイト
特別貸付 3年間無利子 + 最長5年間元本据え置き 当面(2021年末まで)
 日本公庫 0120-154-505 Webサイト
 商工中金 0120-542-711 Webサイト

業種別の支援策もご確認いただけます。併せてご参照ください。